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EPSON新型溶剤プリンターSC-S9150実機体験レポート!!

EPSON新型溶剤プリンターSC-S9150実機体験レポート!!

昨年末に発表されましたEPSONの最新型64インチ溶剤プリンター【SC-S9150】。年始より、代理店・ユーザー向けにデモンストレーションを実施できるとのお話を頂き、仕事始めの6日に一番乗りでサンプル作成として実機を触らせていただきました。

実際プリンターを触らせていただいた上で感じた点や、新型プリンターの特徴・注目のポイントを分かりやすく解説してまいります!!


①外観・サイズ感

全体的なサイズ感としては、【SC-S80650】と比較して高さが1338mm⇒1021mmとなり、317mmも低くなったので、コンパクトに感じます。搬入時にヒーターなどを折りたたむことができ、最小で奥行きを711mmまで小さくすることが可能。通常の扉サイズの間口でも搬入が可能となっているそうです。

プリンターの天面が天窓のようになっているので真上から出力の様子を伺えます。

②ウルトラクロームGS3インクに新色グリーンインクが追加

今まで溶剤のグリーンインクはRolandのプリンターだけでしか採用されていませんでしたが、【SC-S9150】では、【SC-S80650】シリーズのインクに加えグリーンインクが追加になり、溶剤インクジェットプリンターの中で最多の計11色となりました。

グリーンインクの追加により、ライムグリーンからモスグリーンの方向のガモット値が広がりました。3MのJシリーズのチップ表と見比べても、ほぼすべての色で再現ができていました。

従来機【SC-S80650】にはあったシルバーインクは無くなってしまいました。

また、インクカートリッジから、インクパックに変更されており、1500ml・800mlから選ぶことができます。よく使う色は1500ml。あまり使わない色は800mlなどの組み合わせでも使用できますので、ヘビーユーザーからライトユーザーまで扱いやすいプリンターといえます。

③新型プリントヘッド【Precision micro TFPヘッド】

【SC-S9150】では、新開発の【Precision micro TFPヘッド】を搭載しており、従来機【SC-S80650】のヘッドよりもヘッドサイズ・ノズル総数が1.3倍になっており、より高速での出力が可能になりました。

また、ノズルインク温度センサーをインクノズルの近くに置くことにより、より安定した温度でのインク吐出が可能になり、出力時のムラ軽減が期待できます。

解像度は以前の1440dpi×1440dpiから1200dpi×1200dpiへ変更されています。塩ビモードで従来機【SC-S80650】の標準8Passで印刷したときに、色むらが出てしまったりバンディングが解消しないなどの現象が起きた際場合、Pass数を上げてプリントすると解像度も上がってしまい若干の色味に違いなどが出てしまうといった現象が起きていました。

【SC-S9150】では、標準を1200dpi×600dpiの10Passにすることで、従来機【SC-S80650】の8Passで色むら・バンディング問題が出た際にPass数を上げてプリントした際の解像度が変わってしまう問題が解決されました。

標準が10Passとなりましたが、プリントヘッドのサイズが大きくなったので、スピードと画質が上がりましたので、一石二鳥といった感じです。

④操作性・タッチパネル

【SC-S9150】では、4.3インチのタッチパネル式の操作パネルに変更されており、直感的に操作が可能になっております。プリントの終了時間が表示されていたり、プリント完了時に音を鳴らして終了をお知らせしたりしてくれる便利な機能が付いております。

タッチパネルをたたむことも出来るので、天面をフラットにすることが可能で、出力後のメディアを広げたりすることも可能です。

⑤新しいカラープロファイルEpson Wide CMYK_Ver3の登場

グリーンインクの搭載に伴って、新しいカラープロファイルが追加されました。グリーンインクを最大限に生かすカラープロファイルとなっています。

従来機【SC-S80650】の継続案件にも使用できるようEpson Wide CMYK_Ver2も引き続き使用できます。解像度が違っているので厳密にいうと同じものは出力できませんが、ほぼ同じ状態でのプリントが可能ですので、従来機からの買い替えにも安心してお選びいただけるのではないでしょうか?

⑥メディアクリーナー・乾燥ファン標準搭載

メディアの表面に付着しがちなホコリなどをプリンターの中に入る前に取り除く機能としてメディアクリーナーが取り付けられています。また、従来機【SC-S80650】ではオプション品の扱いだった乾燥ファンが標準でついております。乾燥ファンを使用しないユーザーもいると思いますので、こちらは外してプリントをすることが可能。

⑦メディアリフター標準装備

従来機【SC-S80650】では本体にとりついていたメディアリフター。実はあまり使われていなかったも言われている機能ですが、【SC-S9150】では本体が低くなった分、メディア取り付け位置が下がり重いメディアを取り付ける際は少し大変でした。新しくなったメディアリフターは車輪がついており、ジャッキのような感じでメディアを持ち上げるので、使ってみるとかなり便利でした。また使用しない時には本体からはみ出ることなくコンパクトに収納できます。

★ここまでが、EPSONのホームページに載っているポイントです。★

●テキストシャープネス機能

印刷のきれいさは従来機【SC-S80650】よりも若干上がっていました。特に、小さな文字や黒ベタの中に抜きで書かれた文字のエッジなどは明らかに差を感じました。

エッジの部分をより細かいドットでプリントすることで、エッジを際立たせることが可能なようです。

●プリント速度

HP上では1.3倍となっています。実際に測ってみたわけではないですが、もともとかなりのスピードでプリントできたプリンターでしたので、体感的には少し早くなったような気がする。そんな感じでした。

白インクの配列が以前のプリントヘッドとは変わっているようで、倍のスピードで同等の濃さが出せるそうです。

ちょっと心配なのは、早すぎるがゆえに乾燥するのか?といった問題。現時点のメディアプロファイルはジェネリックしかないそうなので、メディアによってはブロッキングを起こす可能性がありそうですが、今後メディアプロファイルが増えていけばその点も解消されるのではないでしょうか?

●巻き取りの性能がさらにUP

従来機【SC-S80650】で好評だった巻き取り装置ですが、【SC-S9150】では送り出しについていたメディアの固定装置が巻き取りにも付きました。しっかり固定されるので更に安定した巻き取りが可能になりました。

●実際使ってみての個人的な感想

従来機【SC-S80650】の発売が2016年5月という事で、ほぼ9年ぶりのリニューアル。これ以上の機種はなかなか出てこないのでは?という声も多かっただけに、開発チームの努力には驚かされました。とにかく綺麗。それを突き詰めたプリンターといった感想でした。

・ここまでの綺麗さは本当に必要??

・プリントヘッドが一体型になっているので、保守満了時のプリントヘッド交換などは少し高めになるのではないか?

・メディアの取り付けのリフターも、後ろに回るだけのスペースがある会社であれば使いやすいが、限られたスペースで運用されている会社としては取り付けが大変そう。

実際に導入が始まってみないと使い勝手などの感想は出てこないので、期待しながら発売開始を待ちましょう。

デモなどは既に受付が始まっていますので、ご導入をご検討の方は是非弊社営業までお気軽にお問い合わせください。