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MUTOH祭レポート!!新型水性UV『HydrAton1642』実機展示!!

MUTOH祭レポート!!新型水性UV『HydrAton1642』実機展示!!

梅雨が明け、さらに暑さが増してきた東京。【MUTOH祭】が開催され、見学に行ってまいりましたのでその様子をリポートいたします!

セルカム東京支社が以前入居していた東京五反田にありますTOCビルにて開催された【MUTOH祭】。久しぶりのTOCだったので、なんだか懐かしさを感じながら会場へ向かうと、会場内は大勢の人でにぎわっていました。

【溶剤プリンター】

今回の【MUTOH祭】は、インクジェットプリンター・3Dプリンターなど、MUTOH製品のほぼすべてを展示会場に持ち込んだ今までにない展示会ということもあり、総力戦での展示会といった内容でした。

先日ご案内させていただきました絶賛キャンペーン中の64インチ溶剤プリンター【XpertJet1682SR Pro】をはじめ、54インチコンパクトモデル溶剤プリンター【XpertJet1341SR Pro】や、Sign Expo 2024でも展示されていた唯一無二の104インチ溶剤プリンター【ValueJet-2638X】が展示されていました。

先日リリースされた濃い赤を出力することができる新カラープロファイル【MUTOH WIDE COLOR CHOICE】を使った鮮やかで濃い赤が映えるようなイメージを出力されていました。

【UVプリンター】

こちらは会場入ってすぐの場所にMUTOHで扱っているプリンターとしては最大サイズのフラットベットUVプリンター【PerformanceJet 2508UF】。4×8サイズの板ものを直接プリントできるUVプリンターとして、大型のサインを作成しているユーザーにお勧めの機種です。

ミドルサイズのフラットベットUVプリンターとしてお勧めしたいのが【XpertJet 1462UF】インクのしなやかさに定評があり、合皮などの素材との相性が抜群です。他にもレンチキュラー風な印刷もできるということで、独自性の光るプリンターとして注目の高いプリンターでした。

ロールtoルールとリジットの両方に対応した【ValueJet1638UH MarkⅡ】も汎用性の高さから人気のプリンターです。

また、小型のフラットベットUVプリンターとして【XpertJet 461UF/661UF】もおすすめのプリンターです。

小型のUVプリンターですが、他社製品と比較しても筐体がコンパクトな設計なので、場所問題でお困りになられる方へはおすすめのUVプリンターです。

【MPプリンター】

MUTOHのプリンターといえばMPインクを使ったMPプリンター。MPインクとはmultipurpose(多目的)インクの略称で、色々な素材にプリントができるMUTOH独自のインクです。

近年環境問題で注目されているリサイクルできるスチレンボードのRecoボードにプリントできるMPインク。他にも熱収縮させるシュリンクフィルムとの相性も非常に良く、オリジナルシャンパンや、オリジナルペットボトルなどのラベルとしても需要も評価の高いプリンターです。

出展機種としては、ロールtoロール・リジット対応の【ValueJet1628MH】と、小型のロールプリンター【ValueJet628MP】の2機種。大きなサイズ、小さなサイズの両方をラインナップしているので、幅広いユーザー層からの支持されているプリンターです。

【新型水性UVプリンターHydrAton1642】

お待たせしました。注目度No.1の水性UVプリンター【HydrAton1642】の登場です。読み方は【ハイドラトン1642】です。

富士フイルムが開発をした【AQUAFUZEインク】を搭載した世界初の水性UVプリンターです。その名の通り、水性プリンターの性質を持ったUVプリンターということで、ほぼ無臭で平滑性の高いUVインクです。

残念ながら写真撮影NGということなので写真は無しですが、詳しく聞いてきましたので、その内容と私なりの感想を交えてレポートします。

筐体は既にDrupa2024にて発表されていたので、そちらのものをご参考にご覧ください。※また、写真に一部加工を加えさせていただいております。

【プリンター詳細】

1600幅の水性UVプリンター。色数はC/M/Y/Kの4色。プリントヘッド2個搭載のスタガは配列のプリンター。溶剤と同様のプリ・プラ・アフターヒーターの3段階熱乾燥に加え、プリントヘッドの左右についた乾燥ファンで風を送りながら出力する。インクを吐出した後に、プリントヘッド前面に取り付けられたUVランプでインクを硬化しながらプリントしていく独自の出力方法。

出力スピードは、クォリティー9.4㎡/h プロダクション11.7㎡/h ハイスピード15~16㎡/hと、まずまずのスピード。4色なのと、UVでの効果なので個人的にはもう少しスピードが出てくれると嬉しい所ではあります。

価格は未定との事ですが、市場の溶剤プリンターのクラスより若干上の想定との事です。

【出力メディアについて】

デモで出力されていたのはリンテックの壁紙。印刷サンプルとしては塩ビ・合成紙・和紙・海外のフリース壁紙・PONGSのクロスメディアなど。吸水性のある紙などとの相性がいい様です。インクの凹凸がほとんどないので、ラミネートとの相性もよさそうです。

【インクについて】

水性ベースのインクなので、2度塗りなどができないため、電飾などのモードは無し。今後も作る予定はないという事です。

色の濃さは、現段階では黒ベタなどのベタ色で若干薄いような印象を持ちました。ただ、販売前なのでこれから進化する可能性は十分にあります。他の色合いは4色ではあるものの、鮮やかな発色が出せるインクなんだなという感想です。

プリントヘッドの前面にUVランプがついているので、インク着弾から硬化まで少し時間が空くので通常のUVインクと比べると若干グロス寄りの光沢をもつインクです。

【MUTOH販売戦略】

日本での販売戦略としては、壁紙出力を前面にアピールしていく戦略のようです。インク成分などが他のインクよりも安全性が高く、環境に厳しいヨーロッパ基準でも警告マークがつかないそうで、ヨーロッパではウケがいいものの、日本では環境問題は二の次になってしまっている状況を踏まえると、他のプリンターの置き換えとしては厳しいという事です。

メディアの紹介部分でも触れましたが、紙系のメディアとの相性が良いインクで、さらに熱によるメディア収縮が起きにくい点を踏まえると、壁紙の相性が抜群というの頷けます。

擦過性もUVインクの特徴を持ち合わせているので、傷がつきにくいという点もアピール材料になるのではないでしょうか。

肝心の防炎に関しては、これから申請という事なので、販売開始までには申請が通るようにしていきたいとの事です。

【感想】

新しいインクという事で、どういうプリンターなのか未知な部分が多いですが、今の段階では用途が限定されてしまうプリンターという事は否めません。

年末の販売開始を目標に開発を進めているそうなので、それまでにどこまで進化するのか?が期待されるプリンターでした。

サインショウ2024・Digital Printing Expo 2024辺りでの参考出品はどうなるか?楽しみにお待ちください!