先日開催した「Digital Printing Expo 2026 Osaka」に伴い、弊社大阪本社ショールームにUVgelプリンター【Colorado M5W】を常設いたしました。
今回は、プリンターの特徴や、実際に操作して感じた点を分かりやすく解説していきます!
そもそもColorado Mシリーズとは?
【Colorado Mシリーズ】は、キヤノンが開発したサイン・ディスプレイ用途向けのロールtoロール型UVgelプリンターです。
従来機【Colorado 1640 / 1650】をベースに、生産性・表現力・運用性をバランスよく進化させた次世代モデルにあたります。
ラインナップは用途規模に応じて2クラスに分かれています。
〇M3 / M3W:エントリー〜中量生産向け
〇M5 / M5W:高速・多機能のハイエンドモデル
※いずれも白インク対応モデルあり
設置サイズについて
本体サイズは 幅3,020mm × 奥行1,095mm × 高さ1,300mm。
メーカー推奨設置スペースは 幅4,655mm × 奥行2,707mm × 高さ1,884mm です。
背面にメディア装填用の引き出しがあるため、特に後方スペースは余裕を持って確保する必要があります。
Colorado Mシリーズの主な特長
①新しく追加されたグロス&マットモード「FLXfinish+」
従来機【Colorado 1640 / 1650】で実現していた、インク交換不要の「グロス」「マット」表現に加え、【Colorado Mシリーズ】ではグロス&マット同時表現を可能にする「FLXfinish+」が追加されました。
これにより、合計3種類の質感へ切り替えが可能となり、印刷表現の幅がさらに広がり、高付加価値な印刷を実現できます。
サンプルからも、見事なグロス/マット表現が再現できていることが分かります。

②圧倒的なプリント速度
【Colorado M5 / M5W】の最速モードでは
〇グロス:159㎡/時
〇マット:46㎡/時
と、インクジェット方式としては非常に高い生産性を発揮します。
実際のサイン制作ではハイクオリティモードが中心になると思われますが、それでも
〇グロス:40㎡/時
〇マット:27㎡/時
という十分な速度を維持しています。
例えば、幅1,370mmのメディアを30m、ハイクオリティモード(グロス:約40㎡/時)で印刷する場合、
面積は 1.37m × 30m = 約41㎡
単純計算では、およそ1時間で出力が完了します。
同クラスのロールtoロール型UVプリンターでも、ここまでの処理速度はなかなか出ません。
その秘密は、UVgelインクとヘッド配置にあります。キヤノン独自のUVgelインクは、一般的なUVインクとは硬化の仕組みが異なります。
インクがメディアに着弾した瞬間に“ジェル化(半固体化)”して位置が固定され、その直後にLED硬化ユニットで完全硬化します。これにより、インク同士の不用意な混合やにじみの発生を抑制し、色の正確性やシャープさを保ちます。
また、プリントヘッドとLED硬化ユニットを独自配置することで、吐出と硬化を何度も繰り返すことなく画像形成後にまとめて硬化できるため、高い生産性を実現しています。

③白インク対応による進化
【Colorado Mシリーズ】では新たに白インクが追加されました。これにより、
〇透明メディアへの印刷
〇色付き素材への高発色印刷
〇ウィンドウ装飾や電飾用途
といった表現が可能になります。
さらに、白+カラー印刷でも約10㎡/時の速度を維持するため、現実的な生産性を確保できます。
④向いているメディア・向いていないメディア
向いているメディア
〇塩ビ(PVC)フィルム(屋内外サイン・バナー)
〇透明PET(多層印刷・ウィンドウ装飾)
〇ターポリン・FFシート(高頻度な折り畳みを伴わない用途)
〇壁紙(内装・写真表現)
〇テキスタイル/テンションファブリック(イベント装飾・短期展示)
平面性が高く、比較的寸法安定性のあるサイン・ディスプレイ用途に最適です。
向いていないメディア
〇カーラッピング用フィルム(深い3D曲面・強い引き伸ばし施工前提)
〇頻繁に折り畳むターポリン・バナー(長期使用)
〇強い伸縮性を持つ素材(ラバー系・ストレッチ素材)
〇洗濯耐久が必要な衣料用途テキスタイル
強い伸縮・曲面追従・長期屈曲耐久が必要な用途は、溶剤・昇華・DTF方式が適する分野です。
⑤RIPソフトとの互換性
メーカー説明では【ONYX Thrive™ 24.0】や【Caldera】のRIPソフトに対応しています。
特に【ONYX Thrive™ 24.0】では、プリンターと連携し、「メディアライブラリ」から新規メディアのプロファイルをRIPソフト内で作成するとプリンターに自動反映されるため便利です。
また、ZUNDのトンボ自動付与や、単体データの面付け印刷が簡単に行えるため、作業の効率化にもつながります。

⑥消耗品
UVgelインクのほか、専用メンテナンスキットがありますが、この点は他のUVプリンターと大きく変わりません。
ただし、UVgelインクは吐出と硬化を繰り返さず画像形成するため、インク消費を抑えることができます。

実際に印刷してみました
今回使用したメディアは合成紙の【FSFM200】。溶剤用のメディアではありますが、高い乾燥性を持ち、ブロッキングしにくい用紙となっています。
まずは背面にメディアをセットします。
シャフトのピン(針)を差し込んで固定するため、指を傷つけないよう注意が必要です。
用紙を選択し、「調整」ボタンを押すと自動でキャリブレーションが行われます(約15分)。
また、UVプリンター特有のにおいは比較的少ない印象でした。
今回は実用性の高い
グロス・ハイクオリティモード:40㎡/時
で出力しました。
約0.5mのメディアで印刷時間はおよそ1分30秒。壁紙や店舗装飾であれば十分なクオリティではないでしょうか。
個人的には、単色ベタよりも複雑な写真データのほうが、よりきれいに印刷できる印象を受けました。

もし「このメディア・このデータで印刷してみたい!」といったご興味がございましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください!