【展示会レポート】SIGN & DISPLAY SHOW 2025 出展報告
                        2025年10月22日(水)〜24日(金)の3日間、東京・有明GYM-EX(有明展示場)にて開催された「SIGN & DISPLAY SHOW 2025」の様子をレポートいたします。
セルカム株式会社
弊社ブースでは、HPのLatexプリンター「R530」「730W」「830W」の3機種と高機能デジタルカッター「ZUND」を展示し、多くの来場者の注目を集めていました。
ハイブリッド型「R530」:
ロールtoロール・フラットベッド両方を兼ね備えたハイブリッド型のLatexプリンター「R530」は、64インチの出力幅でロールメディアから板状メディアまで多様に対応できる柔軟性を備えています。また、「HP Pixel Control」によって鮮やかな色彩と滑らかなグラデーションを表現でき、さらにはインクの自動再循環システムと自動プリントヘッドクリーニング機能により、稼働時間の最大化とメンテナンスコストの削減を実現しています。
展示会では、「R530」で強化段ボールにプリントする実演を行いました。椅子の脚部分は表裏とも色が乗せられており、とても鮮やかに仕上げられていました。
 
ロールtoロール型「730W/830W」:
国内初展示の「730W/830W」は、第三世代で好評だった両面印刷機能を復活させ、「R530」と同様にグラデーション表現などの色再現力が向上。また、ホワイトインク対応で透明・濃色メディアでの表現力も強化しています。さらに、インク自動再循環や長寿命メンテナンスカートリッジにより稼働効率を高め、メンテナンスコストの削減も実現しています。
 
Latexプリンターのサンプルコーナーでは、塩ビをはじめ、ターポリンや段ボール、アクリル、遮光スエードといった多様なメディアを展示。印刷領域の可能性に関心を持つ方が多くいらっしゃいました。
 
Latexプリンターは多様なメディアに対応可能でありながら、UVプリンター特有の凹凸がなくラミネートがかけやすいです。また、環境にも配慮された水性インクを採用しているため、オフィスや商業施設への設置にも適しています。
HPの新Latexシリーズがさらに進化した製品であることが印象づけられていました。
デジタルカッター「ZUND G3 L-2500」:
さらに、段ボールやプラスチックなど幅広いメディアのカッティングが可能な高機能デジタルカッターも展示しました。セミナーで配布したサンプルをはじめ、セミナー案内のための等身大パネルや、「R530」でプリントした強化段ボールもこの機械でカットしました。
それ以外にも木や段ボール、ターポリンなどカッターやハサミで切断できるものをはじめアクリルなどをカットすることができます。
またデータの設定によってはカットだけでなく、幾何学模様を掘ることも可能です。
 
最終日には、日本HP エバンジェリスト・霄洋明氏と弊社春名によるコラボセミナー
「最新テクノロジーで省力化を〜HP Latex新製品初披露とZundカッターの可能性〜」を開催。
多くの参加者様にご好評をいただきました。
セミナーの様子は後日YouTubeにて公開予定です。ぜひご覧ください。
他社ブースの展示紹介
株式会社ミマキエンジニアリング
捺染顔料転写システム「TRAPIS」:
プリントと転写で完結する簡単な捺染工程のため、専門技術がなくても操作が可能です。また、従来の捺染プリント方式と比較し、転写紙を製造する際を含めても廃水を約90%削減できます。さらに、転写紙へのプリントのため、生地の搬送ベルトといった煩わしいメンテナンスが不要です。
昇華転写インクジェットプリンタ「TS200-1600」:
最小4plドットで吐出することができる高密度・高精細プリントヘッドをシングルで搭載しており、均一で美しい高濃度カラーや精細なデザインを表現できます。また、バイオレット・オレンジ・蛍光イエロー・蛍光ピンクの新色追加で、色表現の幅が拡大しました。
エプソン販売株式会社
溶剤プリンター「SC-S7150」:
従来機「SC-S40650」の後継機です。コンパクトでオフィス設置にも最適。また、4.3インチのタッチパネルを搭載したことで画面がより見やすくなりました。さらに、従来カートリッジ式だったインクはパウチ式になり、カートリッジ式と比べて廃棄物を大幅に削減しています。
- 6色ダブルモデルの溶剤プリンター「SC-S8150」:
2.64インチの新プリントヘッド採用により、従来機(「SC-S60650」)と比べ生産性が約33%向上。急なオーダーにも応えられるスピードと安定稼働が強みです。また、ライトシアン、ライトマゼンタを含む6色インクでより鮮明なグラデーションが可能になりました。さらに、細かい文字をくっきりさせるテキストシャープネス機能や線を滑らかに美しくプリントする独自の機能も搭載され、さらなる高画質に繋げます。

 溶剤プリンター「SC-S9150」:
新たにグリーンインクを加えた11色で構成された最新版の溶剤プリンター。繊細なグラデーション表現を実現し、従来機(SC-S80650/S80650L)と比較し色域が約19%向上しました。他にもノズル抜けを自動検知し補完する機能や正確な紙送りなど、安定稼働を支える機能が充実しています。
グラフテック株式会社
カッティングプロッター「FC9000 Series」:
最大カット速度1485mm/s、最大加速度39.2m/s²、最大カット圧5.88N(600gf)で高い生産性を実現。
さらに、エプソン社のRIPソフト「Epson Edge Print Ver.6.0.0」にグラフテック専用メニューが追加され、印刷からカットまでワンフローが可能になりました。
キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社
UVジェルプリンター「Colorado XLシリーズ」:
最大3.4メートル幅の印刷に対応したUVジェルプリンターで、ロールtoロールモデルの「Colorado XL7 roll-to-roll」とリジッドメディアにも対応するハイブリッドモデルの「Colorado XL7 hybrid」の2機種をラインアップ。対応するメディアはバナー、紙、ビニール、フィルムはもちろん、テキスタイルや熱に弱い素材のほか、新たに発泡ボード、ポリプロピレン波板、アクリル、アルミ複合版、ボール紙など、幅広くあり、生産領域を広げることが可能です。
従来のUVgelインクのように、広色域・無臭・高生産性を併せ持ち、グロス/マット両表現を1回の印刷で実現。速乾性で後工程もスムーズです。
(下記画像はColorado Mシリーズです)
武藤工業株式会社
溶剤プリンター「VJ-2638X」:
国内唯一の2.6m幅対応の溶剤プリンターであるため広幅ターポリンの印刷が可能です。また、採用しているMUTOH純正のエコソルベントインクは、「UL GREENGUARD Gold認証」を取得しており、発色性、耐候性、メンテナンス性に優れています。UV硬化性水性プリンター「HydrAton 1642」:
「UL GREENGUARD Gold認証」を取得し、GHSハザードフリー、さらにCMRに該当する物質を意図的に含有していない、低VOC・低臭気のUV硬化性水性プリンターです。富士フイルム社が開発した水系インクを採用することで、環境負荷を大幅に低減し、安全性と快適な作業環境を両立しています。壁紙印刷に最適です。
ローランド ディー.ジー.株式会社
UVプリンター「LO-640/LO-300」シリーズ:
立体物へのダイレクト加飾を、オンデマンドで手軽に行えるフラットベッド型の大判UVプリンターです。印刷速度が大幅に向上し、「LO-640」ではCMYK+White同時印刷で約 5.0 m²/h、「LO-300」では約 3.4 m²/hを実現。これは従来機(CO-640i/CO-300i)比でそれぞれ約3倍/約2.6倍となり、高い生産性を誇ります。
溶剤プリンター「XP-640」:
新開発の大型プリントヘッドをスタガー配置し、高速データ制御技術を組み合わせることで、少ないパス数でも高解像度出力を実現。また、CMYKに加え、オレンジ、グリーンの特色、さらに、新開発のレッドインクの採用により色域が大幅に拡大しました。これにより、サイングラフィックで最も使用機会が多く重要視される赤やオレンジを鮮やかに表現します。
アコ・ブランズ・ジャパン
ワイドフォーマットラミネーター「SUPREME1620HW」:
加工速度が最大 15,000 mm/分と、業界最速クラスのスピードを実現しています。また、新しい「エアチューブシャフト」により、フィルム交換や位置合わせの手間を軽減します。さらにスイングシャフトを3本搭載することにより、重いメディアの取り付けも簡単です。メディアスリッターやクリーンローラーなど、オプションも充実しており、作業効率をさらに向上させます。
バンドーエラストマー株式会社
透明・乳白の塩ビメディアを中心に、国内一貫生産による高品質素材を展示。
「GM-CPZ70/GM-CPZ100」「GM-MPZ70/GM-MPZ100」など、ガラス不燃対応や厚手基材の新製品群を紹介しました。
余談ですが、弊社が用意した配布用マウスパッドにはバンドーエラストマー社のメディアを採用しており、当日は来場者に配布して頂きました。
中川ケミカル株式会社
「シート素材×加工」をテーマに、ハーフミラーやFoglasを組み合わせた光演出の新しい表現方法を提案。照明のON/OFFで反射と透過を切り替える演出を実演していました。
また、透過性を活かしつつ開放感のある目隠しができるシート「Foglas gradation」シリーズから新商品として「C-502G サンドグロウ」を紹介して頂きました。
Kavalan
LCA認証取得のPVCフリー素材を使用したバナー・ターポリンを展示。
弊社が取り扱いしている「SUNLIGHT300」もありました。こちらは非PVCのソフト特性を兼ね備えた印刷メディアです。屋内・屋外ともに使用でき。汎用性の高いPVCフリーターポリンといえます。
対応インクはUVとLatexで、幅は1600幅と3200幅の2種類をラインナップしています。詳細は弊社までお問い合わせください。
株式会社Tak-Me
サイン・看板業界のDXを推進するパートナーとして、業界の成長や更なる価値の創造への貢献を目指し、相談スペースを設置。業務効率化を向上させるため、リスキリングの提案をされていました。
さらに現在は補助金を活用し安価で受講できるセミナーの開催や、生成AIを活用した業務効率化の提案も行っています。
弊社もこのセミナーを受講中で、近いうちにレポート記事を公開予定です。
まとめ
足元の悪い中、弊社ブースへお立ち寄りいただき誠にありがとうございました。
今年は特に中国企業の進出やデジタルサイネージの増加が目立ち、印刷業界に新たな発想・効率化・表現力の可能性を感じる展示会となりました。
今後ともセルカム株式会社は、皆さまの可能性を拡げるパートナーとして、最新ソリューションをご提案してまいります。
気になる機器・メディアがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。





