Digital Printing Expo 2023 レポート ブースNo.1-10
先日開催されました【Digital Printing Expo 2023】。たくさんのご来場誠にありがとうございました。会場での各社ブースの展示内容や、新商品のご案内などを5部にわたってお送りします!
【ブースNo.1 キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社】
今回の展示会で、ひときわ注目を集めた新型商品【Colorado M5W】。展示会でのお披露目としては国内初披露。従来機の【Colorado1650】に白インクが追加されたモデルとなっており、遂に高速UVプリンターの完全版が出てきたというお客様の反応を見ることができました。
従来のUVゲルインクの、低臭気(ほぼ匂い無し)・インクの盛り上がりが感じられないといった良いところはしっかり継承しており、さらに送りの精度を上げるためカメラで1パスごとに目印を読み込み調整を行うため、多層刷りでの白版のはみだしなどがほとんど無いというワンランク上のプリンターといった感じでした。
また、Colorado独自の技術として、【dot gain control】というものがあり、UVインクの効果時間の時間差を与えることによりグロスとマットを同時に印刷することができるなど、この機械にだけしかできない技術をしっかりアピールされていました。従来機だと、白インクが搭載されていなかったため用途が限られてしまっていたColoradoですが、白インクが搭載され、使用できるメディアが一気に増えたため、今後UVプリンターを検討するうえでは必見の機種ではないでしょうか?
【ブースNo.2 株式会社日本HP】
第四世代になり、安定した販売台数を誇る【HP Latex800W】。ホワイトインクには定評があり、溶剤やUVインクなどよりも白度が高く、より美しい白色の表現が可能となっています。
各社レジンプリンターや、Latexプリンターが続々と市場に進出してまいりましたが、先駆者でもあるHPはノウハウも多く広い分野で使われています。
いろいろなサンプルを展示されていましたが、中でも800Wを使用したボンネットのラッピングサンプルは、以前セルカムの導入事例をご紹介させていただきました株式会社ヤマックス様の作品。蛍光色シートにホワイトカラーを使用することで通常色を乗せても下地を拾うことなくメリハリをつけたプリントが可能。インク受理層を必要としないLatexプリンターならではの出力サンプルでした。
【ブースNo.3 Caldera/CGS Japan株式会社/富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社】
【Caldera】
セルカムのシステムソリューション部チームのソフトウエア+カラーマッチングの実演ブース。CalderaからはMinChuan CHU氏をお迎えし、Mac専用RIP【Caldera】の製品説明。
最近では自社RIPがバンドルされるようになり、国内では社外RIPを使ってお仕事をされる方も減ってきましたが、社外RIPを使うと、すべてのメーカーのRIP作業を1つのRIPソフトでコントロールできるので、作業効率を上げることがでます。
また、MinChuan CHU氏は、ZUNDとのワークフローを構築する最新ワークフローソフト【Cardera Primecenter】についてのセミナーを行っていただきました。
【CGS Japan株式会社】
カラーマッチングの重要性をご紹介いただいたのは、前回もご出展いただきましたCGS Japan株式会社様。今回は、各プリンターメーカーへご協力いただき、出展機種で事前にカラーチャートを印刷いただき、そちらと同じデータを同じ機械で出力いただき、色ブレを計測するデモンストレーションを実施。
人間の目ではあまり違いを感じないようでも、実際には若干の色ブレが発生していることがあり、そこを調べて元の出力に近づけ、印刷物の安定化を図りましょう。というのがデモンストレーションの主旨です。
色の管理という、一見複雑な聞こえで、実際のところは深く突き詰められる会社様が少ないのが実情ですが、出力物に保証を付ける意味でも【色の管理】は非常に重要。是非セルカムと一緒にお客様の出力に対して、一歩踏み込んだサービスをご提供しましょう。
【富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社】
富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社様では、面付ソフトの【tilia phoenix】のご紹介。
印刷時の余白などの無駄をなくし、コストを削減することを目的としたジョブプランニング&面付ソフト。複雑な形状なものも印刷盤面の中で最大数量を取れる様配置してくれるので、フラットベットUV印刷などの面付け作業に最適なソフトです。
オプション次第でCADデータのインポートや、カットデータのバーコード生成やページ面付けなどの用意もあるとの事です。使用メディアの削減につながる便利ソフトですので、是非システムを導入の際にご一緒にいかがでしょうか?
【ブースNo.4 株式会社ミマキエンジニアリング】
今回の展示は溶剤フラッグシップモデルの【JV330-160】と話題のDTFプリンター【TxF150-75】の実機展示。
大判溶剤プリンターは今回の展示会場では【JV330-160】のみという展示でしたが、国内ではまだまだ溶剤需要も高く、ご覧になられていたお客様も多かったのではないでしょうか?
今回の展示会の全体の装飾ではJV330にて出力したものが多く、実際に使用する側からみても非常に使いやすく、きれいな印刷ができるなと実感いたしました。
また、全体を通して展示の多かったDTFプリンターですが、【TxF150-75】は他社製品に比べ印刷可能幅が広いこともあり大量に印刷するユーザーにとっては重要なポイントではないでしょうか。また、価格面でも本体コストが抑えられているので、そちらも同じく重要なポイント。白インクの濃さにも定評があり、濃色のボディーに対しても安定した製品が仕上がるDTFプリンターといえます。
【ブースNo.5 グラボテック株式会社】
今回東京展示会では初出展となるフランス生まれのレーザー加工機メーカーグラボテック株式会社様。
ご出展いただきました機種は【LS100】。本体はコンパクトな設計で、ワークサイズが460×350となります。ワークサイズでいうと、ミマキのUJF3042と同じくらいのサイズなので、アクリルキーホルダーなどのお仕事を始められるユーザーにはセットで購入していただくとスムーズです。また、グラボテックレーザーの最大の特徴が、ミマキファインカット対応というところではないでしょうか?レーザーといえば、どのメーカーも独自のソフトやプラグインソフトなどを使用して加工することになりますが、ファインカットであれば使い慣れている方も多いので非常に操作しやすく受け入れられるのではないでしょうか?さらにうれしいポイントとしては100Vでの運転可能というところ。200Vなどの電気工事もなく簡単に設置できるので、導入の際も楽ちんです。
また、今回はレーザーのほかにアルミの板や、アクリルなどの板ものを直線切りする【サーキュラソー(ノコ板)】の展示もありました。型式により加工の厚みなどが異なりますが、レーザーに入るサイズに加工してあるものを購入すると、思いのほか高くつきますし、端材の処理も細かく切れるので、ごみ問題にも一役買います。レーザー加工機とご一緒にいかがでしょうか?
【ブースNo.6 リコージャパン株式会社】
壁紙印刷などで高い評価を得ているRICOH【RICOH Pro L5160e】オレンジインク・グリーンインクを搭載しているこちらの機種は他社Latexでは出せないような色域をカバーしているのが特徴。ホワイトインクを搭載したモデルでは、これからの時期には欠かせないウィンドウ装飾などにパワーを発揮できます。スタガ3列配列でスピードを気にせずホワイトを出力できます。また、巻き取りの精度が非常に高いので夜間運転なども安心して任せておくことができます。同時展示でガーメントプリンター【RICOH Ri 2000】の実機も展示。印刷サイズが406×498と、大きなサイズのボディーでも十分なサイズのプリンター。ガーメントプリンターは、既製品にデータを印刷するだけで商品として成り立つので、需要は高く、コンスタントに売れている商品です。
【RICOH Pro L5160e】【RICOH Ri 200】
【ブースNo.7 有限会社大久保工芸】
セルカムの導入事例でもご紹介させていただいている神奈川県相模原市の立体造形を製作されている有限会社大久保工芸様のブース。
町でよく見かける立体造形。何気ないものではありますが、平面サインより記憶に残りやすいサインでもあります。
大久保工芸様では、色々な手法を用いて今までたくさんの立体造形を作ってきました。Massivitの導入経緯としては、通常の作り方では作るのが非常に難しいものなどを作るため導入を決めていただき、製品の幅を広げられました。
Massivitで造形のベースを作り、その後パテ埋めや磨きをかけ仕上げていきます。導入したら完成品が出来上がるものとは違い、その後の加工が必要なので、もしご興味がありましたら、大久保工芸様で一度作ってみるのはいかがでしょうか?製作のご相談などお気軽にどうぞ!
【Massivit】
日本初上陸【Massivit5000MAX】。
先日日本に入ってきたばかりのハイスペックモデル。水で溶解する専用ジェルを使用できるこちらのモデルは、ジェルを積層して立体物を作るだけではなく、型を作ることができるよう新化しました。
海外の事例として、船や車のパーツなどもMassivitを使用して作られていたりと、私たちも想像していないような使われ方をしており、、非常に勉強になりました。
Massivitとしても日本のマーケットを重要視しているそうで、日本人の担当者も採用されて、これからどんどん売り込みをかけていきたいとの事です。
年明けにも3Dの展示会に出展予定なので、是非宜しくお願いします。また、こちらの機械は東京のテクノフロントにて常設しておりますので、ご見学希望の方は是非営業までお声掛けください。
【ブースNo.8 ZUND/Fotoba/Neschen】
セルカムが販売を行っている海外の機械メーカー3社のブースです。
今回の実機展示は【ZUND G3-L2500】/【Fotoba XLA170】/【Neschen HotLam 1650TH】の3ラインナップ。プリントの後加工に必要な工程をセルカムでは様々なソリューションで客様をサポートします。
印刷後のラミネートは、【Neschen HotLam1650TH】で、高速かつシルバリングを抑え安定して掛けましょう。今回はイエローツールズさんの新商品とのコラボレーションを行い、メディア表面についたホコリを取り、美しく仕上げました。
ラミネートの後はカット。枚葉カットに特化したFotoba。定型サイズの切り出しはXLDにお任せ。今回展示した機種【XLA170】は、RIPにて付与するバーコードを読み込み、いろいろなサイズをブレードが動きながら切り出してきます。
FOTOBAでは加工できないようなカットは【ZUND G3-L2500】で行います。
出力したシートのカットはもちろん、ルーターでいろいろなものをカットすることができます。
サイン&ディスプレイだけではなく、アパレルにも使うことができる汎用性の高いデジタルカッティングマシンのご紹介。各ブースからカットの依頼が入ったりと、色々なコラボレーションが生まれました。
【Neschen HotLam1650TH】【Fotoba XLA170】【ZUND G3-L2500】
【ブースNo.9 Mipox株式会社】
今回業界初出展となるMipox株式会社様。メインは工業機械系の研磨など行っている会社さんですが、【Ref Lite事業部】という部署で、セルカムユーザーにぴったりハマる商材を扱っていらっしゃいましたので、熱いリクエストでお呼びさせていただきました。
主に扱う商材としては、再起反射を利用したリフレクト素材の商品を多数ラインナップ。カラーバリエーションも豊富。今までは、アパレル関連のお客様がメインのターゲットで、サイン業界で使用されている事例は少なかったそうです。
こちらの商材の特徴は、裏地が選べるというのがポイントになります。布地のもののほかに、ホットメルトの糊や、粘着シートのラインナップがあり、今回の展示会主旨にぴったりの商材を展示いただきました。来場者の反応も非常によく、サンプルをたくさんの方にお持ち帰りいただきました。
これからもいろいろとコラボしてサンプルを作っていきますのでご期待ください。
【ブースNo.10 株式会社ハシマ】
プレス機・転写機や検針機でおなじみの株式会社ハシマ様。
今回は【HSP-126FA】【HSP5400】の昇華転写機2種類の実機展示。
どちらも自動式のプレス機で、熱源が冷めにくい電熱式でのプレスで、安定した転写効率できれいな仕上がりを実現。
【HSP-126FA】は、1200mm×600mmと横に広いタイプのフラットベットタイプなので、タオルサイズの昇華転写にぴったりなサイズです。上ごてがアルミなので熱も均一に伝わりやすくムラになりにくいのが特徴です。
もう一方の【HSP-126FA】は、500mm×400mmのサイズで、Tシャツへの昇華プリントや、ラバー転写、ガーメントプリントのプレス、DTFの圧着など、小回りが利くので小物等の製作にはベストなサイズです。また、100Vコンセントなので、オフィスや家庭環境での作業が可能なので、初めての方でも導入しやすい規格となります。
今回はお隣のMipoxさんとコラボレーションを行い、プレス機を貸していただきました。ありがとうございます。
ブースNo.10ずつレポートいたしますので、続きをお楽しみに。